教科書に線を引こうと筆箱を漁っていると、触れたのは橙色のペン。瞬時に思い出されるのは普段身に付けている彼のリストバンドと、いつかの試合後の暖かな夕陽。授業中練習メニューの作成に夢中で先生から注意を受けた彼は、相変わらずメニューと睨めっこしている。私の日々は、常にこの色と共にある。

      

 

☆☆☆

      

 

 教科書に線を引こうと筆箱を漁っていると、目を引いたのは橙色のペン。思い出されたのは使い古されやや色のくすんだリストバンドと、いつかの試合後全身に受けた暖かな夕陽。引退後間を置かずして受験へとシフトし、あの熱い日々から随分遠い所へ来てしまった。共通の夢は夏に消えてしまったけれど、今度は各々の目標を達成させんと、彼らとの―――彼との日々が今も尚心に灯をともす。

 

 

「その色は誰の色?」

(マネージャー今昔)